高齢者の交通事故|死亡慰謝料基準は若年者と違う?

2014年の東北6県の交通事故死者数は過去最少に

2015年1月7日の河北新報朝刊によると,東北6県の2014年の交通事故による死亡者は369人と過去最少になったそうです。ちなみに,宮城県は83人(前年比5人減)だそうです。

一方で、高齢者の死亡者は増加

一方で,高齢者の死亡者は増加しているそうです(65歳以上の死亡者は210人で,全体の56.9%)。

高齢者の慰謝料は若年者とは違う?

ところで,高齢者の死亡事故の場合,慰謝料は若年者などと同程度に認められるでしょうか。

たとえば,赤い本では,死亡慰謝料は,「一家の支柱」(2800万円),「母親,配偶者」(2400万円),「その他」(2000万円~2200万円)を一応の目安として示しています。

そして,かつては「その他」とは,「独身の男女,子供,幼児」に加え「現に職業に就いていない68歳以上の老齢者」も含まれると注記されていました。

現在では,「独身の男女,子供,幼児等をいう」となっていますが,「等」に高齢者も含めて,「その他」の目安を適用している解決例は多いのではないかと思います。

人ひとりの命は平等ですから,亡くなったことに対する慰謝料も同額であるべきだという考え方ももっともです。

しかし,これまで長生きされた方と,先が長い若者や,家族を支えている働き盛りの方とを同額にしてもよいかというと,躊躇を覚えます。特に死亡慰謝料は,亡くなられたご本人の苦痛に報いると同時に,残された遺族に対する賠償という側面もあるのでなおさらです。

 

<交通事故死>東北369人過去最少・14年
(2015年1月7日付 河北新報朝刊記事)

東北6県の2014年の交通事故による死者数は前年比5人減の369人となり、過去最少(12、13年の374人)を更新したことが、東北管区警察局のまとめで分かった。事故件数と負傷者数も、ともに11年連続で減少した。

県別の死者数は福島87人(前年比8人増)、宮城83人(5人減)、岩手64人(8人減)、青森54人(6人増)、山形44人(5人増)、秋田37人(11人減)だった。

65歳以上の死者は前年比8人増の210人で、死者全体の56.9%を占めた。道路横断中に犠牲になった84人のうち、63人(75.0%)が高齢者だった。

警察局の担当者は「高齢者の事故対策が課題だ。道路横断時のルール徹底や運転マナー向上などを引き続き呼び掛けたい」と話した。

事故件数は3万2392件で前年比4028件減。負傷者は4万305人で5248人減った。

年末年始(12月29日~1月3日)の東北6県の交通事故による死者は4人で、前年比1人減。内訳は宮城2人、山形、福島各1人だった。

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