離婚事件で,離婚する際に決めておくべきものとして,以下の5つのことがあります。
これらは,家庭裁判所の離婚調停申立書の書式に最初から載っていて,チェックを入れたり数字を入れたりして書き込んでいきます。
このうち,1の親権者は,離婚のときに決めておかないとそもそも離婚ができません。
一方,2~5は,財産的給付の問題ですので,身分関係の問題である離婚のときに一緒に決めなくても,離婚はできます。
では,2~5の養育費,財産分与,慰謝料,年金分割について,後になってから請求することは可能でしょうか?
養育費は,子どもが扶養を要する状態である限り,離婚後であっても,いつでも請求はできます。
ただし,請求する前の過去の養育費は当然に請求できるとは限りません。もっとも,実際の調停や審判では,相手方に資力があるなど,過去の養育費を負担させるのが公平な事案では,一定程度遡って養育費の支払開始時期を定めることがあります。
財産分与は,離婚の時から2年間請求できますが,それを超えると請求できなくなります。
慰謝料は3年以内に請求しないと時効にかかります。時効の始期は,「損害及び加害者を知った時」からで,不貞,暴力など,離婚の原因となった行為についての慰謝料の場合,離婚の時から3年と解されています。
年金分割も,離婚の時から2年間請求できますが,それを超えると請求できなくなります。