ケース1 自己破産:
4年前に病気で倒れて会社を辞め,借金を返せなくなってしまったAさん。やむを得ず自己破産を申し立てました。破産手続では,退職金を使い果たした経緯について,Aさん自身が病気の影響などからうまく説明できないことが問題になりました。退職金の使い道を可能な限り調査し,一部はギャンブルに使ってしまったことは正直に報告した結果,財産隠匿などはないと判断され,免責を受けることができました。
ケース2 個人再生:
リストラされ給料が減ってしまったBさん。住宅ローンを返すため,消費者金融から借入をしてきましたが,それでも返せなくなりました。マイホームは維持したいので,民事再生(個人再生)を申し立てました。住宅ローン特別条項については,既に1年以上滞納している延滞金の取扱いが問題になりましたが,延滞の解消方法について債権者から同意を得る「同意型」でまとめることができました。消費者金融の借入金については80%カットしてもらう内容で,再生計画が認可されました。
ケース3 自己破産:
小売業を営んできたC社。周辺に大型商業施設がオープンした影響などで売上が大幅に減少しました。もともと余剰人員などで経営難だったこともあり,再建を断念して自己破産により会社を清算することとしました。従業員は解雇せざるを得ませんでしたが,全員に解雇予告手当と未払給与全額を支払うことができました。
ケース4 民事再生:
建設不況の煽りを受け経営不振に陥った建設会社D社。民事再生を申し立てるとともに,リフォーム業を中心とした事業規模の縮小・特化,原価管理の徹底などの再建計画を実行し,約2億円の負債の90%をカット,残金を5年分割で支払う内容の再生計画案が認可されました。